離職率の増加、賃金コストの上昇、適任者の不足が原因・他|インドの今を知る|コラム|AsiaX Column
離職率の増加、賃金コストの上昇、適任者の不足が原因
日経BPの記事「アウトソーシング大国インドに陰り コールセンター業務でフィリピンへの移転が加速」(2010年10月14日付)は、急成長を続けていたインドのBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービス産業が戦略の転換を迫られている、というもの。インドの雇用環境の悪化からフィリピンに拠点を移す動きが出てきているためです。インドのBPOサービス産業は10年前から世界市場を席巻、総売上高124億ドル、雇用者数300万人に達します。3年前は、インドの世界市場におけるシェアは50%に迫るものでした。
フィリピンのBPO産業は、わずか5年で70億ドル市場に成長し、今や総雇用数も45万人に達し、その大部分はコールセンター業務に従事しています。ただ、インドはコールセンター業務からより付加価値の高いサービスに業務内容をシフトさせ、今後もBPOサービス市場において最大シェア、つまり50%以上を維持するとの見方もあります。
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一方で、インドでは毎年300万人の大学生が卒業しますが、そのうちBPOサービス企業の雇用条件に合う人材はわずかしかいません。そのため、最低でも4週間をかけて「エージェント」や「アソシエート」と呼ばれるオペレーターを実務に耐えるよう訓練していますが、一方でコールセンターを専門とするBPOサービス企業では、実に離職率が50%を超えています。
フィリピン政府はBPOサービス企業に対する積極的な奨励策を進めており、マニラでは、ITとBPO産業が、最大の商業施設がある街の中心部に集積しているという立地上の利点もその発展に力を貸しています。また、顧客対応の点でも、インドよりマニラの社員の方が優れているという声もあります。
フィリピンのBPO専門家やコンサルタントは、コールセンター業務がインドからフィリピンへ移転する流れは止まらないと見ています。今年の新規契約分についてはフィリピンが既にコールセンター業務で世界シェアトップになっています。一方インドでは、離職率の増加とそれに伴う賃金上昇から、規模の拡大は難しい状況になっています。インド企業のフィリピンへの移転の流れ、さらにフィリピン企業の成長は今後ますます加速するでしょう。
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1日の交通事故死亡者数は世界第1位
東洋経済オンライン2010年10月14日付「インドの交通事故発生率は日本の50倍──どうすれば日本人駐在員の安全を守れるのか?」は、インドでの自動車台数の急増について、ネクストマーケット・リサーチ代表取締役の須貝信一氏によるコラム。2002年から09年にかけて年間の新車販売台数は3.4倍に増えたそうです。また、こうした状況に加えて、交通インフラが未整備、交通安全教育が不十分とくれば交通事故が多発するのは当然で、日本人駐在員の交通事故死が珍しくなくなるかもしれない、と警鐘を鳴らしています。
インドではみなとにかく運転が荒く、混み合うところでは車間距離1メートルくらいで流れます。また、二輪、三輪(オートリクシャ)の数が多く、どんどん割り込んで合流したり、追い越したり乱れながらも流れます。
追い越すときや、ここに車が走っているよとアピールしたいときは、ホーンを鳴らしますが、どの車も鳴らすので、うるさいだけで何が何だかわかりません。歩道橋や地下道などはほとんどなく、歩行者も信号を無視して渡ってきます。また信号で車が止まると、子供の物乞いやモノ売りが走ってきて車を取り囲み、青になるとまた走って去っていきます。
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インド人は列車が遅れてもまったく動じません。しかし、自分が運転するとなると真逆で、インド人ドライバーたちは「道を譲る」ということを知りません。
インド犯罪記録局の2008年のデータでは、1日当たり396人が交通事故で死亡、1297人が負傷しており、これは自動車の数がインドよりずっと多い中国と比較しても多い数字で、世界一です。州別に見ると大都市ムンバイのあるマハラシュトラ州は事故が多く、インド全土の2割くらいを占めています。インドの公的な救急サービスは、スピードも遅く、搬送先が公立病院になってしまい、あまりあてにできません。
予防策としては、ドライバーとのコミュニケーションが重要です。スピードを落としてほしい場合は、その都度ドライバーに言うこと。駐在員自身がドライバーと会話するための最低限の現地語を覚えるのがいいでしょう。
文=土肥克彦(有限会社アイジェイシー)
福岡県出身。九州大学工学部卒業後、川崎製鉄入社。東京本社勤務時代にインドでのソフト開発に携わる。2004年に有限会社アイジェイシーを設立し、インド関連ビジネス・サポートやコンサルティング・サービス等で日印間のビジネスの架け橋として活躍している。また、メールマガジン「インドの今を知る!一歩先読むビジネスのヒント!」を発行、インドに興味のある企業や個人を対象に日々インド情報を発信中。
この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.179(2010年11月15日発行)」に掲載されたものです。
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